元営業マンがスタートアップで新規事業立ち上げに挑戦するブログ

元営業マンが新規事業立ち上げの責任者にチャレンジする過程を記します。

感情の重要性

感情はガソリンのようなものだ。

それがポジティブであっても、ネガティブであっても強力な原動力となる。

いろんな成功本にはポジティブ思考であるべきだと書いてあることが多い。ネガティブ思考はよくないと。

しかし、実際はそうではないと思う。ネガティブであっても、それが原動力となり、頑張れることもある。例えば、僕が大学受験を頑張れた理由は、勉強ができないことをバカにされて悔しかったからだ。それがきっかけとなり、ものすごく頑張れた。もちろんその途中で、バカにされたことなどはどうでもよくなった。

つまり、ネガティブな感情であっても、うまく利用することで努力するための強力な原動力となったりする。

自分が今の事業を成功させたいと思う一番のモチベーションは何だろうか。

新しいテクノロジーで世の中を便利にしたい。そういう気持ちもなくはない。しかし、それは外向けの考えであり、実際のモチベーションはそうではない。

実際のモチベーションは、成功させて評価されたい、お金持ちになりたい、有名になりたいといった感情だ。すごくかっこ悪いような気もするが、これが本音だから仕方がない。

今まで僕はこういった感情を隠していた。そうすると、モチベーションのコントロールが難しくなった。何のためにやっているのかがわからなくなったりすることもあった。

それから、自分の本音の感情を受け入れることにした。僕はこの事業を成功させることで、会社を有名にし、自分も有名になり、給料も跳ね上げてもらい、役員になりたいと思っている。

あらゆる感情をうまく利用することで、エンジン全開で駆け抜けていきたいと思う。

事業責任者の仕事は決断すること

大抵のことはトレードオフだ。全てを完璧にすることは不可能だ。

サービスづくりも全てにおいて完璧なものを生み出すことはできない。

例えば、デザインにとことんこだわろうとすると、その分時間はかかるし、コストもかかる。ハードウェアをより小型化しようとする際も同じだ。性能を上げようとするとコストがかかる。

 

だからこそ、コアバリューを見極め、それを軸にあらゆることを決断していく必要がある。それが事業責任者の仕事だ。全体を俯瞰し、確固たる軸を持ち、決断を重ねる。時に立ち止まり、全体を見渡し、おかしな方向に行っていないか確認をする。

 

その際に当たり前だが必要なのは、そのサービスのコアバリューを明確にしておくことだ。そうしないと決断ができないからだ。決断軸と言っても良い。

さらに決断軸を持つためには、誰よりもそのサービスについて考え、熱意を持たないといけない。

各分野の担当はそれぞれの役割を果たそうと、最善の方法を示してくれるかもしれない。だが、必ず優先順位をつけ、全体を考えた上で選択していかないといけない。その際は喧嘩になるかもしれない。文句を言われるかもしれない。それはそうだ。その人は最高の仕事をしようとしているのに、否定されるからだ。でも、それを恐れてはいけない。どうしても成功させるためには選択をしないといけないからだ。落とし所を見つけていかないといけない。だから、事業責任者は腹を括って、熱意を持って説明する必要がある。

 

だが、僕の今の状況は非常に厳しい。

なぜなら社内リソースが極端に足りていなく、僕以外にメンバーがいないからだ。

やるべきは、いかにこのサービスが会社にとっても重要で、やる必要があるかを周りに伝えていくことだと思う。そして、リソースを確保していかないといけない。遠慮をしていたら、時間だけが過ぎていき、会社全体にとってもマイナスになってしまう。

それにしても気軽に相談できるメンバーは欲しい。笑

ハードウェアを作るということは決断の繰り返しだ

ハードウェアを作ることの難しさを強烈に感じている。

 

ハードウェアを作る際にはそのサービスのバリューが何なのかをより明確にしておく必要がある。なぜなら、多くのことを決断していかないといけないからだ。

 

ハードとソフトの大きな違いは、ハードは一度世の中に出したら取り返しがつかないということだ。そのため、企画や設計が非常に重要になってくる。

一度決めたことを変えるということも許され難い。不可能ではないかもしれないが、スケジュールやコストに大きな影響を与える。これはソフトとは比較にならない。

だから最初の段階でしっかりと「決める」ことが重要だ。

 

企画段階から、利用シーンを強烈にイメージし、まるでモノが目の前にあるかのような感覚になるまで鮮明にイメージすることだ。それを仕様に落とし込んでいく。

ここをとことん突き詰めていく必要がある。

 

そして、次には技術的なハードルが存在する。

例えば技術的には可能だったとしても、コストやデザイン、スケジュールなどにモロに影響したりする。大抵ここら辺はトレードオフだったりする。だから、落とし所を決めないといけない。その際には、サービスのバリューを確認し、どちらが重要なのかを次々に判断しないといけない。

 

さらに、それが出来上がったとしても、最初から完璧に動作してくれることは多くない。何かしら問題があったりする。だから量産する前によく確認をしないといけない。

世の中に出てしまったら、どうしようもないからこそ、各メーカーには厳しい品質基準が存在し、それをクリアしなければならない。

 

ハードウェアを世の中に出すまでにはものすごい数の決断をこなし、課題を乗り越えていかないといけない。道のりは長い。

これからはゼネラリストが求められる

ここ数年で便利なSaaSサービスがたくさん出てきた。

 

もうぼくらはWordPressを使えば本格的なHPを作ることができる

会計もfreeeやマネーフォワードを使えば楽にできる

労務管理はSmartHRを使えば時間をかけずにできる

請求書や見積書もmisocaを使えばすぐに作れるし、記録として残すこともできる

その他にも、G suiteやジョブカンやSansanなど仕事を効率化してくれるSaaSサービスは無数に出てきた。

 

従来パッケージソフトとして提供されていたものがクラウドサービス化したことで、ぼくらはこういったサービスの恩恵を受けやすくなった。従来は人がやっていた仕事を圧倒的に効率化することができる。その結果、起業や会社経営の労力やコストは格段に下がった。

 

こうした時代に求められるのは、このようなツールがあるということを知っておくことと、使いこなすことができるスキルである。当然こうしたツールがあっても、その分野のことを全く知らなければ使いこなすことはできない。そのため、その分野について多少なりとも知っておくことが重要である。広く浅くでも知っておけば、あとはツールが補ってくれるのだ。

おそらくこれからプログラミングなどもAIによってますます身近になっていくだろう。音声で指示を出しただけでプログラミングができるようになるかもしれない。

事務作業のような仕事のほとんどはAIやロボットに置き換わっていくのは間違いないだろう。これからはそうしたものを使いこなす側になるか、それらに仕事を奪われる側になるかだろう。

 

いろんな分野を理解し、あらゆるツールを使いこなすことができるようになっていきたい。

実行の前の目論見ってすごく大事

キーエンス時代から上司に散々言われてきた。

「目論見がなきゃ、意味ないだろ」

大企業でルール化されていれば、これらは当たり前のことだろう。やらなければいけないタスクまで落とし込まれている。

 

しかし、スタートアップ(特に初期)は道筋が何もない。そのため、とにかく実行が重要である。考えているだけではダメで、いろいろやってみないとわからないことも多いからだ。さらに、忙しくてタスクを処理することに時間を忙殺されてしまいがちで、目論見を立ててる余裕などなかったりする。

 

一方で、とにかく実行するというのはリスクを伴う。それは、時間というスタートアップにとっては超重要なものをすり減らしてしまうリスクだ。スタートアップは逆説的な事柄も多いため、とにかくやったほうがいいというのはわかる。

ただし、何も考えないで実行しまくるのと、目論見を立てた上で実行しまくるのとでは天と地ほどの差がある。それはなぜかというと、目論見を立てた上での実行はナレッジとして蓄積していくからだ。目論見を立ててその通りにいかなかったとしても、それは改善箇所を明確にしてくれる。目論見を立てなければ、そもそも何を間違えたかがわからない。なんとなくうまくいかなかったで終わってしまう。

シンプルに書くと、以下のようになる。

 

目論見を立てた上での実行→失敗しても足し算で進んでいく

目論見なしの実行→失敗したらまたゼロに戻る

 

スタートアップこそ、わからないながらも目論見を立てるべきである。そして、最速でPDCAを回していくことが成功への近道なんだと思う。

 

さらに、会社のメンバーへの事業の共有についてもこの点を意識した上ですべきだと思っている。つまり、ただの結果の共有だけでは意味がないのだ。

目論見に対して結果がどうであったかを説明する。そして、そのギャップがどうか。もしビハインドしているのであれば、それを埋めるべく対策を考えた上で共有すべきだ。そうしなければ、共有された方も「だから何?」で終わってしまう。

特にこうしたことは会議で起こりがちだ。会議が単なる結果の共有で終わってしまっていることが多い。会議とは本来は意思決定の場であるべきだ。単なる事実の共有は工夫をすれば、わざわざ会議体でやる必要もないかもしれない。(共有の方法については模索中だが...)

 

当たり前のことをつらつらと書いたが、自分自身への戒めの意味を込めて記しておく。

 

営業マンがサービスを企画する難しさ

サービス企画やマーケティングをやっている人からすればすごく当たり前のことだが、サービスを考えるためには、まずは顧客を絞ることが重要だ。つまり、誰に向けたサービスなのかということを明確にするのだ。そのためにペルソナを設定したりする。

 

元営業マンだったぼくは、サービスを考える上で、顧客のニーズが重要であると考えた。そして実際に顧客の元へ行き、ニーズを深掘りしていった。すると、ニーズが明確になっていった。

ぼくはこれらのニーズを応えるためのサービスを考えた。

顧客はこういうニーズや課題を持っていて、これとこれとこういう機能を持ったサービスを作ればニーズに応えることができる!

さらに顧客に意見を聞いて、どんどん確信していった。

「いける!」と。

 

しかし、当時のぼくは大きな過ちを犯していた。

それは元々営業マンであるがゆえの過ちであったのかもしれない。

 

みんなに好かれる汎用的なサービスを考えてしまっていたのだ。

 

よく本にも書かれている内容なのだが、汎用的なサービスは誰にでも対応できるというメリットがあるが、実は誰にも刺さらないサービスになりやすいのだ。つまり、ターゲットが不明確で、ぼんやりしたサービスになってしまう。

 

ターゲットを明確にして、ペルソナを作った方がいい。

こんなことは勉強していたぼくにはわかっていた。しかし、見事に逆をいった。

それはなぜか?

この落とし穴は営業マンがかかりやすいと思っている。

営業マンは一番顧客に近く、顧客の声を大事にする。一番ニーズもわかっている。

ただし、営業マンにとっては目の前の顧客が一番大事なため、全体を考えにくい。

その結果、目の前の全ての顧客に好かれるサービスを考えてしまうのだ。

 

サービスを考える上では、ターゲットを明確にし、その人たちに熱狂的なまでに好かれるサービスにするべきだ。逆に、それ以外の人には嫌われても構わない。それくらいでないと、誰にも支持されないサービスになってしまうのだ。

 

機能盛りだくさんのサービスを作りたくなりがちだが、そこはグッと我慢。

ターゲットをリアルに想像する。そしてターゲットとなる顧客にとことん好かれるサービスを追求していきたいと思う。

日々の奮闘からの学びを記録していきたいと思う

初めまして。ぼくは元キーエンスの営業マンで、スタートアップで働いている。

キーエンスは激務・高給で有名なセンサーや精密機器のメーカーだ。そこでぼくは営業マンをやっていた。非常にエキサイティングな日々で、営業スキルはかなり向上したと思う。自分で言うのもなんだが、営業に関してはどこでもやっていける確固たる自信が付いた。

一方で、営業しかできないことに対しては不安を感じていた。一生営業マンとして生きていくのはなんか違うと思っていた。当時のぼくは、事業の立ち上げなどに憧れを持っていた。「新規事業立ち上げ」と言うフレーズにかっこよさを感じていた。

そんなぼくは2〜3年前にとあるスタートアップへ転職した。当時は設立数ヶ月、人数も数名の、まさに立ち上げフェーズの会社だった。その会社で、ぼくは営業を担当することになった。転職してからの日々は思っていたよりも大変だった。何が大変かと言うと、時間が激務とかそういうことではない。むしろ、激務耐性には自信はあった...w 

「自分の使えなさ」を嫌でも自覚せざるをえなかったのだ。

そこからはとにかく謙虚に前向きに学び続け、自分の中のブレイクスルーを何度も経験し、営業としての結果を残すことができた。結果と言っても、達成とか個人成績とかそういうことではない。売れる相手、手段を模索しながら、販売の仕組みを作り、自分でなくても回せる体制を作ることができた。

そして、この度、ぼくは新規事業の責任者を務めることとなった。今まで営業しかやっていなかったぼくにとっては、それはそれは大変なことの連続だ。とにかくわからない。今の事業は専任でいるメンバーはぼく一人だ。手伝ってくれている経験豊富な頼もしいメンバーはいるが、彼はとにかく忙しいので、頼ってばかりはいられない。

 

・PLも書いたことがない。書き方もわからない。

・ビジネスモデルを構築したこともない。

・プロジェクトの進め方もわからない。

・営業以外の職種についての知識がなさすぎて、何をやっているのかわからない。

・職種ごとに考え方が違うが、何を考えているのかわからない。

などなど。。。

 

よくもまあ、そんなぼくに任せてくれたものだ。社長やメンバーの懐の深さには感謝しかない。

 

ぼくは今、日々悪戦苦闘している。抜擢されてから数ヶ月たって、できることも増えてきたが、まだまだできないことの方が多い。とにかく毎日勉強していくしかない。そんな毎日は学ぶことが非常に多い。気付きの連続だ。特に学びとして大きいのは、職種ごとの考え方の違いだ。例えば、営業の考え方と、マーケティングの考え方は本質的には同じだが、アプローチの仕方が異なる。ましてや、エンジニアは全く違う。

スタートアップだけでなく、大企業でも職種ごとによく喧嘩をしていたりする。これは実は当たり前のことなんだとわかった。それは役割ごとに考え方が違うからだ。ぶつかって当たり前だし、ぶつかる必要があるのだと思う。

営業マン時代はそんなことをあまり考えてこなかった。それは全体を俯瞰することができていなかったからだと思う。それは数人のスタートアップにいてもそうだった。本当に毎日学びが大きい。

 

これから、ぼくが日々学んだこと、考えていることをここに記していきたいと思う。目的は自分の考えを整理するためと、自分が何を考えていたのかを記録しておきたいからだ。あとは、こんな落書きのようなアウトプットに少しでも価値を感じてくれたらとても嬉しい。

まずは、継続が一番大事だと思うので、頑張って記していきたいと思う。